越路吹雪物語(23) 『スターの風格が備わってきた越路吹雪』コーちゃんにも欲が出てきた

※ネタバレ含んでいます。ご注意ください。

 ダイジェスト

宝塚音楽学校の三羽ガラス、中川慶子(芸名:淡島千景)、守山淑子(芸名:久慈あさみ)、上野悠子(芸名:南悠子)は、なぜかコーちゃんを親鳥のように慕う。三羽ガラスの初舞台となる公演でコーちゃんは一等水兵を演じ、その役柄で歌った浪曲は宝塚ファンを魅了した。

コーちゃんへのファンレターはだんだん増えていく。八重子からは、子供ができたという嬉しい便りが。でも同室の松尾セツに届いた知らせは『兄の戦死』だった。

時は太平洋戦争の直前。
宝塚の演目は戦争ものになり、タカちゃんたちスターは慰問公演が中心で大劇場には出ていない。コーちゃんたちは、日本が勝利を収めてもうすぐ戦争が終わると信じその時を待っていた。

岩谷家では、ご近所の人が出征するたびに千人針が回ってくる。宝塚の制作部や大道具からも、若い人がどんどん出征していく。
新聞に連日報じられる戦果の裏側で、急激に戦局が劣勢になっていることを知らない庶民たち。

編集部では紙不足のおり余白が許されず、時子は詩を書いて紙面を埋めた。
『スタアの風格が備わってきた越路吹雪』時子が書いてくれた記事を読むコーちゃん。最近、舞台がすごく好きになり、もっとお客さんに喜んでもらいたいと欲がでてきたようだ。

夏のある日、劇作家・庄司義男がコーちゃん主役の演目の打ち合わせに来ていた。
庄司は『あの人は天性のスターだから頑張って書きました』と言い、こんなご時世でなければ、コーちゃんに合うもっと華やかな役をさせてやるのに…と教務主任は残念がる。

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 『スターの風格が備わってきた越路吹雪』コーちゃんにも欲が出てきた

※ここから先は個人的な感想です。

スタアの風格が備わってきた越路吹雪

コーちゃんは欲が出てきたようです。
タカちゃんたちスターは慰問公演優先なんですね。オカジもツメも駆り出されてました。その留守を埋めるためコーちゃんが主役になることが増えたんでしょう。
自分が主役になって演じているうち舞台の面白さ難しさがわかってきて、もっとお客さんに喜んでもらいたいという気になってきたのでしょうね。

公演後の楽屋で、戦争集結を願うコーちゃんたち。

「わたしに任せろ。またたく間に勝利を手にし、以前のあの華やかな宝塚を、あのキラキラと美しい夢の世界を、取り戻して見せよう!」

と、コーちゃんは男役の演技。瀧本美織さんうまいな。ダンスは、タカちゃん・天代麗役の音月桂さんには全然及ばないけど、娘役の人にカバーされながらよく頑張っていると思います。

戦時下の日常風景 時代考証がしっかりしてる

日本は日清・日露戦争以降ずっと戦争していたけど、戦地が遠かったらそこまで切実じゃないでしょうね。それが段々近寄って来て国民全員が巻き込まれていく…とても怖いです。

食糧難で、小麦が足りずうどんの量が減った。コメも少なくなり、昼食はすいとん。
この程度ならまだいいような気がする。

特高警察に目をつけられる、これはほんとうに怖い。言論の自由・報道の自由がなくなったらおしまいだ。教育の影響は計り知れない。コーちゃんたちは、心から大日本帝国が東アジアを救うと信じ、兵隊さんたちに感謝していたと思う。

紙ペラ一枚になった宝塚情報誌。宣伝部のまっちゃんも、出版部の望月くんも戦死した。こんな会話、わたしはこのさき絶対にしたくないです。

『越路吹雪物語』は、時代考証がしっかりしてますね。戦争を美化するでもなく、悲惨さを強調するでもなく、ニュートラルに戦時下の庶民の日常を再現していると思う。戦争を知らない者のほうが多い現代、越路吹雪物語のようなドラマは貴重。若い人達に見てもらいたい気がします。

大きな世界情勢の流れに一国家一個人が逆らえるはずもない。社会を無視してひとり生きるわけにいかない。わたしたちは、自分の生まれた時代を宿命としてその中で精一杯生きるしかないのだろうね。

戦争を知る父は『戦争は初めてしまったら後に引けなくなるから、絶対に手を出してはいけない』『戦争に正義はない。勝てば官軍、勝ったほうが正義になるだけ』とよく言います。

あとがき

編集部のシーンで、時子の向かいの机に森さんがいませんでした。
外出しているのかな。気になります。

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