越路吹雪物語(20) コーちゃん、タカラジェンヌらしい態度で初恋を終わらせる

※ネタバレ含んでいます。ご注意ください。

 ダイジェスト

帝大さんは、コーちゃんと見て少し微笑み、となりのテーブルに座ってたばこを吸い出した。コーちゃんは紅茶のカップを持つ手が震える。まずはお名前を聞こうと、意を決してコーちゃんが立ち上がったとき、店に若い女性が入って来て帝大さんの向かいに座った。

女性は、帝大さんの婚約者だったのだ。

二人の親しげな会話を耳にし、呆然としたコーちゃんはそっと店を出ようとするが、『越路吹雪さんですよね?わたしファンなんです』と女性に声をかけられてしまう。
タカラジェンヌらしい美しい態度で挨拶をしたコーちゃん。

店を出たコーちゃんは、泣きながら歩いていた。歌の追加稽古があったこともすっかり忘れている。

通りかかった歌劇団の仲間がコーちゃんを見つけ『タカちゃんと仲がいいからって大きな顔をするんじゃないわ』と責めたが、タカちゃんの件より失恋のダメージのほうが大きいコーちゃんは、道端に座り込んで大泣きしてしまった。

仲間たちは、手におえないコーちゃんを、通りかかった岩谷時子に託す。
時子の家で夕飯をごちそうになったコーちゃんは、元気な笑顔を取り戻した。
久しぶりに母の明るい顔を見た時子も、嬉しい。

コーちゃんはあいかわらず大きな役はもらえずマイペース。
ある日、楽屋でコーちゃんの歌う浪曲を聞いた劇団関係者は、いつか舞台で歌わせてみたいと感じていた。

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コーちゃん、タカラジェンヌらしい態度で初恋を終わらせる

※ここから先は個人的な感想です。

てっきり、帝大さんはコーちゃんに何か言葉をかけてくれると思ってたわ…わたしは甘かった。こんなことになるとは(;_;)。

コーちゃん立派だったよ!

なんで帝大さんに恋人がいるかも知れないと思わなかったんだろう?わたしのバカバカ。まだ学生なのに、結婚まで予定してるなんて…戦争に取られるかもしれないから早く結婚させてしまおうという、戦時下ならではの事情もあったのでしょうか。

コーちゃんは立ち上がって帝大さんに声をかけようとした、まさにそのときに女性が店に入ってきたのですよね。あ~声をかける前で良かった。自分の好きな人が婚約者と話をしているのを、隣のテーブルで聞くコーちゃんの惨めな気持ち良くわかります。消えてなくなりたいよね。こういう時。

そっと気づかれないよう店を出たかったのに、女性に声をかけられてしまった。よりによってその人はコーちゃんのファンだと言ってくれた。こんな残酷な偶然は、滅多にないと思う。

でもコーちゃんは偉かった!
『ありがとう。これからもよろしくね』とにっこり笑って握手に応じ、
『では失礼します』と、美しい歩みで店を出ました。

わたし感動しちゃいましたよ。
毅然とした態度。清く正しく美しく。さすがタカラジェンヌ。
厳しい稽古で身についた品のある立ち振舞いは、こういうときにちゃんと出るのですね。健気なコーちゃんに思わず涙。

仲間のからキツイ言葉も、陰湿でないのがいいね

店を出たあと、涙を流しながら歩くコーちゃん。
さっきとは打って変わって、惨めなトボトボ歩き(^^)。追加稽古があったことをすっかり忘れていて、道で出会った仲間たちに責められます。

  • 歌の稽古に来なかったでしょ。みんなに迷惑かけたよ!
  • タカちゃんが庇ってくれるから、平気でサボれるんだね!
  • タカちゃんにベタベタ甘えてるんじゃないわよ!
  • 落第スレスレで来たのに、大きな顔しないで!
  • 贔屓してもらって、いい役もらおうと思ってるんでしょ!

みんな、ストレートにビシビシ厳しい言葉をぶつけてきます。
それなのに、陰湿じゃない。嫉妬、やっかみ、イジメの嫌らしいシーンにならないのが『越路吹雪物語』の良いところ。

厳しい言葉なのに、うんうん、それもそうだな。と納得してしまうわたし。

だってみんな音楽学校に入る前から、一生懸命稽古してスターになりたくて頑張ってるんでしょ。コーちゃんみたいな能天気な子が、恐れ多くもタカちゃんと仲良くヘラヘラしてたら、そりゃ穏やかでないと思う。隠さずストレートに言ってくれるのは気持ちいいですよ。

厳しいことをビシビシ言っても、仲間としての信頼関係が伝わってきますもん。

楽曲リスト

清水次郎長伝 唄:広沢虎造

コーちゃんが楽屋で歌った浪曲は『清水次郎長伝』のようです。新潟の尋常小学校時代に、ラジオを聞きながら一緒に歌っていましたね。

あとがき

嫉妬やいさかいを描いても、全然不快にならない『越路吹雪物語』。脚本・演出が素晴らしいからでしょうか。ドラマが視聴者に与える快感・不快感はどこに起因するのか、どこで差が出るのか。素人なりに興味を持って見ています。

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『越路吹雪物語(20) コーちゃん、タカラジェンヌらしい態度で初恋を終わらせる』へのコメント

  1. 名前:Zeo 投稿日:2018/02/02(金) 23:55:25 ID:d963e995f 返信

     本日も、龍居由佳里さんの脚本が輝いていました。すばらしい。正味15分間の中にたっぷりとお話を押し込んでいながら、視聴者に全くストレスを与えない。しかも、しっかり感情移入に導いています。なんと巧みなことでしょう。神業です。恐れ入りました。
     帝大さんの真実を知った直後にタカラジェンヌ然と振る舞うコーちゃんを描き、帝大さんに「格好いいね」とつぶやかせます。こんな、脚本誰が書けるでしょう。
     キャスティングがいいから、ドラマにイヤミがありませんね。かの押井守監督は、キャスティングを終えたら、映画監督の仕事のかなりの部分は終わると言っています。「どんなお芝居になるかは、キャスティングで決まるから」とのことです。本作を通じて、その言葉の真実を知らされます。

    • 名前:simizuy 投稿日:2018/02/03(土) 16:52:45 ID:4f20a32d8 返信

      脚本がいいと、俳優さんたちの演技力が発揮できるんじゃないかな。
      わたし瀧本美織さん好きなんです。木南さんの岩谷時子もいい。
      確かに配役ミスのような人はいませんね。

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