越路吹雪物語(19) 時子に思いやりを見せる編集部の人たち。森継男はなぜか憂い顔

※ネタバレ含んでいます。ご注意ください。

 ダイジェスト

出勤途中の時子はオカジ・ツメ・コーちゃんの三人に出会う。
時子が森を怒鳴った件は『お時の乱』と呼ばれ尾ひれがついた噂になっていた。そこに森継男が出勤してきた。息を呑む時子たちに、森は普段通り『おはよう』と声をかけ通り過ぎていく。

仕事場に入り、時子はまっさきに森に頭を下げて謝った。『この前は、感情的になって、アホンダラなどと言ってしまって。ごめんなさい。本当にすみません』
森は返事をしなかったが、父を失った時子に思いやりを見せる。出勤してきた部長と徹夜明けの編集長も『お時の乱』を笑って流してくれた。

クビにならなくて良かった…心から安堵する時子。

演出部の丸さんが出征することになり、編集部で千人針を縫うコーちゃんたち。
森は、名誉なことじゃないか。と言いながらも浮かない顔をしていた。

コーちゃんは、あいかわらず、タカちゃん・天代麗の家に遊びにいっては本を読ませてもらい、お土産までもらっていた。コーちゃんの行動を面白く思わない人たちもいる、とルームメイトの松尾セツは心配する。

オカジとツメが着々とスター街道を歩いているのに、コーちゃんは欲がなくマイペース。いまは帝大さんのことで頭がいっぱいだ。ひとりで喫茶店に通いつめて帝大さんが来るのを待つコーちゃん。

ついにその時が来た。
店に入ってきた帝大さんが、コーちゃんに気がついた。

スポンサーリンク

時子に思いやりを見せる編集部の人たち。森継男はなぜか憂い顔

※ここから先は個人的な感想です。

さりげなく自然な思いやりをみせる編集部の人たち。
ああ良かった。ほっとしたわ。

編集部のひとたちの反応

出勤して真っ先に森さんに謝った時子。
新人なのに・女なのに出過ぎたことを言ってすみません。じゃなくて、感情的になったことに関してお詫びしました。クビになるのが怖いからとか、相手の機嫌を取るためじゃなくてね。そこがまず偉かった。

森さんは返事しなかったけれども、時子はお父さんのお葬式に来てくれたことのお礼も言いました。森さんは「忌引休暇まだあるだろう?大丈夫なのか」と返事。

時子の謝罪の気持ちはちゃんと伝わってます。良かったね。

出勤してきた内田部長は、「お時大変だったな…お葬式に行けなくて済まなかったね」と声をかけてくれ「お時の乱、聞いたよ。殴られたんだって?」

「殴ってません!」と時子が言う前に、森さんが「殴られてません!」と反応。

若い二人の様子に部長たちは少し笑って「お茶をくれ」。はい、といって時子がお茶を入れに行きました。ホッとした顔の時子。

良かった良かった。
平凡な善男善女の自然な姿ですよ。喧嘩もするけど失礼なことをしたら謝る。謝られたら許す。年長者は若い人を暖かく見守る。肉親を失った人を思いやる。

…良識ある人間が描けないNHK朝ドラマは、越路吹雪物語を見て反省してもらいたいわ。

ところで、時子は忌引休暇(たぶん5日間)がまだあるのに出勤したんですね。普通に仕事してるし。気丈だなぁ…。わたしには自信ないわ。

森さんの憂鬱の訳はなんだろう?

演出の丸さんが兵隊に取られ出征することになりました。タカちゃんの先導で、みんなは千人針を縫うことに。

丸さんは結婚したばかりなのに気の毒だ、おめでとうございますなんて言いたくない。とコーちゃんは時子に話しますが、聞いていた森さんはムッとして「栄誉なことなんだから、めでたいじゃないか」と発言。

『お国のために死ぬのが男子の本懐』男性はこういう価値観で教育されていたでしょう、戦時下ですから。コーちゃんのあまりにも正直な言葉は聞き捨てならないかも。女性が言ったから許されるようなもの。

そのあと、千人針を縫う女性たちをよそに、森さんはため息をついて暗い顔をしています。
そして仕事が終わり、時子を先に帰宅させたあと、森さんは薬を飲んでいました。

わたし、森さんが不機嫌なのは宝塚が嫌いだからかなと思っていたのですが、多分違いますね。森さんはどこか体が悪くて、徴兵検査に合格しないのかも知れない。同期入社の丸さんが立派に出征していくのに、自分はお国のために戦うことができない。そのことが、森さんをいたたまれなくさせているのかも知れないです。

…よく見たら、森さんは男前やなぁ。森さんにもきっと何か事情があるんでしょうね。

清く正しく美しく

宝塚は清く正しく美しく、夢の世界のよう。
未来のスターを夢見て練習に励むオカジやツメも、初恋でドキドキのコーちゃんも。大スター天代麗も。俗世間の辛苦にまみれた庶民とは違う世界にいるみたい。

兵隊に取られていく丸さんや、満州に嫁に行く八重ちゃんの生きる場所とは別世界のような宝塚。

実際のところはどうか知りません。嫉妬や争いもそれなりにあるでしょう。
礼儀作法にも上下関係にも厳しく、芸の稽古も厳しいものでしょう。
でも独身で宝塚の研究生でいる限り俗世とは隔離され、品格を保って女の園で生きる。

そういう浮世離れした世界があってもいいと、わたしは思うな。

あとがき

『越路吹雪物語』いいですね。どのシーンも自然で穏やかに描かれている。ほんとうにNHK朝ドラマよりこっちを視聴したほうがいいと思う。毎回そう思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
error: Content is protected !!