ひよっこ 8/10(木) 田植えの前夜、谷田部家のだんらん

ダイジェスト

谷田部家の夕食

奥茨城の谷田部家の台所。
炊飯器でご飯が炊け、美代子とみね子が食事の支度をしている。

「みね子、悪かったね、無理矢理お父ちゃん押しつけて…」
「ううん。東京で2人で暮らしてるって、なんかヘンな感じだったけど楽しかったよ」
「お父ちゃんはやっぱしお父ちゃん。違う人になった訳じゃないよ」

ちよ子はかっぽう着姿で食卓を整え、すり鉢を出してきてすりこぎを使っている。
「あんた手際良くなったねー」とみね子。
「毎日、手伝ってくれるからね」

「これ、ぴったしだ。ありがとう」風呂から上がった実が浴衣を着ている。

進はお父さんとメンコがしたくてたまらない。「父ちゃん早くー」「早くー」と部屋で呼んでいる。

柱時計が鳴り、皆が食卓についた。
美代子は緊張してうつむいている。

「では、いただきます」みね子が言った。
きんぴらゴボウを食べ、おいしい!という実。好物だったのだ。
「あーいがったです」と美代子が嬉しそうである。
これもうめえ、これも。と実の箸が進む。

進とちよ子がお父ちゃんの取り合い

進が無邪気に聞いた。
「お父ちゃん、ホントに何も覚えてねえの?」
「うん、ごめんな」
「じゃ、おねしょのことも覚えてねえのけ」
「言ったらダメでしょうよ、馬鹿だねー」とちよ子。
アハハと皆が笑う。

明日は田植えだ。田植えは百姓にとっては新しい年の始まりみたいな大事な日。実はいいときに帰ってきた、と茂じいちゃんが言う。

「じいちゃんはね、田植えの名人って言われてたんだよ」
「ハハハ。おれもそう思うな」と茂じいちゃん。

「俺も上手いよ!苗を投げるの。遠くまで飛ばせられるよ」進が主張した。
「今年は良い苗ができた。遠くまで飛ばせ」

「お父ちゃん俺ね、かけっこ早いんだよ。秋の運動会ではリレーの選手になるから見に来て」「おう、すごいな」
進は、もっともっとお父ちゃんと話がしたくてたまらない。

遠慮ぎみのちよ子は、学校の勉強で大事なのはやっぱり予習よりも復習だ。と中学生らしく大人びた発言をして、実を感心させた。

「ちよ子のこといっぱい、全部教えてくれ」と実が言うと、
「ずれえ~おれも話すこといっぱいあるよー」と、進は必死である。みんなが笑う。

夜は更けていき、寝室ではちよ子、実、進の三人が寝ている。

いろり端では、茂じいちゃんが酒を飲んでいる。

「みね子。ご苦労だったな。ありがとな」
美代子は、奥で実のパジャマをたたんでいる。

こんな晩が昔もあったな、とみね子は思い出す。やっぱり稲刈りの前日の夜だった。

自分が出稼ぎに出ると父ちゃんの負担が少しでも減るのではないか。というみね子に、外に稼ぎにいくのは父ちゃんの仕事だ、みね子はじいちゃんと母ちゃんを助けてやってくれ、と実は言ったのだった。

実って、いい名前ですね

翌朝、小雨もよう。
玄関で、茂じいちゃんが雨具を付けており、進も長靴を履いている。
女性3人は台所でおにぎりを作っている。

「これで、いいのがな」と、実が雨具を着て部屋から出てきた。
「ああ、でいじょうぶだ」
「あの、お父さ..父ちゃん」と実が茂に言う。
「実って、いい名前ですね。好きです」
茂は涙をこらえて、「行くぞ」と玄関を出た。

田んぼでは、茂じいちゃんが鋤を曳いている。
雨に煙る山が美しい。

「けっこう降ってきちゃったね」
苗やおにぎりを運んで、谷田部家の田植えの準備が進んでいく。

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感想

懐かしく美しい光景

谷田部家の晩ご飯、懐かしく美しい光景でした。

大家族で暮らした経験がなくても、こんな光景を見ていると、暖かく守られた子供のように安心できるのです。不思議です。

都会で夜遅くまで残業し、ひとりの部屋に帰宅する途中、満員電車のドアにもたれて高層ビルの夜景を眺めている。そんな時この谷田部家の光景を思うと、泣きたくなるくらい胸に迫りそうです(体験談)。

親子の愛情は変わらない

茂じいちゃんに声をかけた実さんは、「実って良い名前ですね」と嬉しそうに言いました。
 茂じいちゃんにとっては、実さんはかわいい息子です。生まれたときから実、みのると呼んで育ててきた。その子が記憶を失って帰ってきて、自分の名前が好きだとうれしそうに言うなんて。

自分の名前も記憶していないんだという、あらためて感じる辛い現実です。実さんが不憫でならず、でも生きて帰ってきてくれた嬉しさで、茂じいちゃんは胸いっぱいになったのでしょうね。

 今日も、進くんに癒されました。
もっとお父ちゃんに俺を見てもらいたいと、必死で自己主張するのが可愛いです。
進くんにしてみれば、これまで年に二回くらいしかお父ちゃんに会えなかったし、ここ3年くらいは全然姿を見なかった。それが突然また帰ってきて一緒に過ごせるのです。

田植えが終わっても、秋の運動会もその後も、ずっと一緒にいて欲しいだろうな。

ひかえめなちよ子も、すっかり大人っぽくなって、けなげです。
本当に、こんな子供達が三年近くも、お父さんの安否も解らず過ごしていたなんて、

やはり世津子さんは罪なことをした

世津子さんのしたことは、やはり罪が重いです。

菅野美穂さんが上手いので、世津子に感情移入してしまったりもするのですが、谷田部家のこの家族にとっては、やはりひどい事をしたのです。

子供たちは世津子さんの件をどうとらえているのか、想像するのもかわいそうなので、描かなくていいです。もう、無かったことにして欲しいです(笑)

お父さんがずっと奥茨城の谷田部家で暮らせることを祈ります。

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