ひよっこ 豊子を応援したい。藤野涼子ちゃんが素晴らしい

さてさて、私の大好きな豊子ちゃんについてまとめてみたいと思います。
今さらながら。

第一印象はちょっと怖い豊子

兼平豊子は、中学を卒業してすぐ東京に集団就職してきました。
上野駅で初めてみね子と時子に会ったとき、いきなり豊子は、

「あなたがたは高校卒ですか、学校の成績はどうでしたか」
「私は、体育以外はオール5でした」
「なのに高校に行かず、こごに居ます」

と言い、2人をげんなりさせます。
初対面でいきなり、ニコリともせず、この挨拶。
ちょっと怖い子だな、が第一印象でした。

時子に責められて涙

向島電気での勤務が始まり、トランジスタラジオの組み立てラインの仕事が始まりました。
豊子は、失敗ばかりする澄子とみね子について、冷静に分析してこう言いました。

「澄子は、ただ動作が遅いだけだが、みね子さんはパニックになってしまう。
みね子さんのほうが問題が深いと思います」

たぶん豊子は悪気なかったのでしょう。
仕事をしながら他人を観察してちゃんと問題点を見つけており、とても的確な指摘なのです。

しかし、これが時子の逆鱗に触れました。
気の強い時子は豊子の言い分はひと言も聞かず、

  • 感じ悪いよ豊子。田舎では、自分を特別な人間だと思ってたんでしょ!
  • わかるよ、私もそうだったから!
  • でもいまは東京へ来ちゃったんだからさ、新しい自分になりなよ!
  • 豊子はかわいいんだからさ、素直になりなよ!

と、自分の過去とも重ねて一方的に責めまくります。
もうちょっと豊子の言い分も聞いてあげたら?と私は思いましたが、時子は容赦ないのでした。

豊子は、自分なんかかわいぐねえです、と涙ぐみ、時子に突っかかっていきます。
このとき、豊子の悲しみが私にも迫ってきたのです。(藤野涼子ちゃんの演技力により)。
(田舎では、かわいげのない子だと、さんざん言われていたのではないかな..)

それ以来、私は豊子というこの子が好きになったのでした。

通信教育で高卒の資格を取る豊子

向島電気の乙女寮は6人部屋で、ひとりあたりのスペースはとても狭いです。
仕事が終わったら、みんな思い思いに好きなことをして過ごすのでした。

豊子は、愛子さんに励まされ、通信制高校の勉強を始めていました。
このとき、青森の実家で自分がどう扱われていたか、豊子は初めて語りました。

豊子は「女に学問はいらない」と言われ、実家では家族から隠れて電気もつけず本を読んでいたと言うのです。乙女寮では明るい電灯の下で誰にも文句を言われず勉強でき、とても幸せだといいます。

女に学問はいらない、とはなんて失礼な、と思うかもしれませんが、昔はこういうことを言う人が普通にいたのです。女が勉強したところで、嫁にいって家族や親戚の世話をして一生過ごすだけなのに金の無駄だ、それに進学したら婚期が遅れる。と、そういう考え方です。

豊子もきっとそういう価値観の中で育ってきたのでしょう。
男の子であれば褒められたであろう、勉強好き本好きという個性も、女だというだけで抑圧されていたのでした。

いつも澄子と一緒

澄子はあの通り、ぼーっとしたアホの子です(笑)。

澄子も、もしかしたら豊子以上に実家でひどい扱いをされてきており、婆ちゃんだけがかわいがってくれたという境遇ですが、みごとな「鈍感力」で、ご飯がおいしい・ゆっくり寝られるという小さな幸せを、最大限に満喫しています。

敏感で賢い豊子とは正反対の澄子ですが、この2人はなぜか距離が近くて、いつも小競り合いをしています。子猫がじゃれあうようです。他の仲間がみんな3歳以上も年上なのでちょっと距離がありますが、澄子とは子供どうしで気兼ねがないのでしょう。

喧嘩もしますが、豊子は常に、澄子を気にかけています。
澄子が行方不明になったときも、給料ほとんど全部仕送りしようとした時も、一番先に気がついて助けようとするのは豊子でした。

だんだん面白くなる豊子

豊子は通信教育でも良い成績を取り、乙女寮のみんなは心から喜び、豊子を褒めました。
これまでは、おおっぴらに勉強することもできなかったのに、乙女寮では心から喜んでくれる人がいるのです。

仲間に受け入れられて、自分の居場所を見つけた豊子、過去の悲しみはすこしづつ癒されていったのでしょう。澄子という相棒もできて、だんだん、豊子は生き生きとして面白くなっていきます。

みね子は常々、豊子の私に対する評価が低すぎる。と不満なのですが、豊子はキッパリと「いいえ、正当に評価してます」と真顔でいいます。
でも、もう時子は怒らないしみね子も傷つかず、いかにも豊子らしい可笑しさです。
気心が知れて気の置けない仲間っていいですよね、本当に。

本を沢山読んで頭でっかちな豊子ですが、純情すぎるくらいピュア。
幸子がプロポーズされたときは、目をキラキラさせて感動していました。澄子が毒舌を吐いていたのとは正反対。

向島電気 立てこもり事件

向島電気が倒産し、乙女寮も閉鎖されることになりました。
みね子と澄子以外はみんな、新しい勤め先が決まっていました。

豊子は小さな会社に事務員として勤務することが決まっており、働きながら定時制の高校へも行かせてもらえると、確かそういう話だったと思います。豊子にピッタリのよい職場のようで、私も喜んでいたのです。

しかし、向島電気の工場最後の日、豊子の様子は朝からおかしかったのです。
いつもの澄子の挑発にも乗ってこず、ぼんやりしていました。

夕方になり、いよいよ工場が閉鎖されて機械類を運び出すため運送の人達が工場に入ってこようとした時、豊子はいきなり工場に走り入り、中からカギを掛けて立てこもってしまいました。

こんなの嫌だ!いやだ!
こんな事したってどうにもならない事はわかってる。
でも、おれは、いやだってしゃべりたいんだ!

豊子は、中学を卒業したとき親から『進学はできない。働いてくれ』と言われました。
そのとき豊子は、なんで私が?なんで何で?の気持ちでいっぱいだったのですが、いやだとは言わず、ひとこと「わがった」とだけ言ったのでした。

賢い豊子のことですから、家庭の事情も親の気持ちもわかっており、自分がいやだと言ってもどうにもならないと悟っていたのでしょう。だからおとなしく「わがった」と言うしかなかったのです。

しかし豊子の気持ちは、それで良いわけありません。
押し殺された本当の気持ちは、出口を失ったままずっと豊子の中にあったのだと思います。そして、乙女寮の仲間と会って自分らしく生き始めた豊子にやっと、心の中に押し込められていた負の感情を解き放つ時がきたのだと思います。

本人はそこまで意識してないかもしれませんが、私はそういうことだと理解しました。

優等生の豊子が、泣いて叫んで、大人達(松下さんと愛子さん)に迷惑をかけ助けられ、仲間に見守られて。よかったね~豊子。

豊子の夢は会社を興すこと

向島電気の工場が閉鎖されたあとも、乙女寮の仲間は集まっていたようです。
ある時、乙女寮仲間がすずふり亭にやってきました。

その時の豊子は、少しビジネスウーマンらしくなっており、勉強をしていろいろ資格を取っていて、将来は会社を興したいといいます。社員は女性だけの会社を起こしたいと。

いまでこそ、女性の社会進出を政府が後押していますが、男女雇用機会均等法で女性差別の禁止が明記されたのは、ほんの20年前です。若い人には信じられないかもしれませんが、それより昔は、女性は男性と同じ職種には就けなかったり、就いたとしても同じ給料がもらえなかったりしたのです。

「女性は、男性の2倍働かないと一人前と見なされない」
「あの人は一番仕事ができるが、女性だから出世はしない」

私が仕事を始めたころ、こういう会話は普通にありました。外資系や専門的な職種なら話は別ですが。

豊子の時代はもっと昔ですから、いくら豊子が優秀でも差別されることもあったでしょう。悔しい思いも色々したんじゃないか、そこで女性だけの会社を作りたいという発想になったのではないかな。

男だとか女だとかいう前に、みんなひとりの人間で、そのひとらしく生き生きと自分を表現して生きられたらいいですね。

豊子負けないで!

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そしてハワイ

そんな豊子が澄子と一緒にハワイに行くというので、わたしは喜んでいます。
これからも仲良くじゃれ合っていってほしいな。

これから先、もっと良いことが豊子を待っていますように。

私がこのように豊子を好きになったのは、ひとえに、豊子を演じる藤野涼子ちゃんの演技が素晴らしく良いからです。演技が良いというより、豊子そのものがそこに居るとしか思えない。

素の藤野涼子ちゃんがどんな人なのかは知りませんし、知らなくてもいいです。
よい俳優さんて、実生活のその人はどんなのか全然想像できないもんなのです。

きっと涼子ちゃんも、いい作品に恵まれていい女優さんになるんじゃないかな。

応援しています。

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